2025年6月5日(木) エディンバラ空港でレンタカーを借りる → ダルメイン・マンション & ヒストリック・ガーデンズ → ケズィック(湖水地方)へ移動
湖水地方(Lake District)
恥ずかしながら、湖水地方という名は聞いたことがありましたが
今回の旅行までコッツウォルズと混同しておりました…
湖水地方(Lake District)とは、イングランド北西部・カンブリア州にある自然豊かな地域で、数多くの湖と山々からなる自然美・文化・アウトドアが融合した英国随一の景勝地です。
2017年にユネスコの世界文化遺産に登録されてます。
名前の通りウィンダミア湖(最長)、ダーウェント湖、バセンスウェイト湖など約16もの「湖」があります(実際には”Lake”と名の付く湖は1つ(バセンスウェイト湖)のみ。他は“Water” “Mere” “Tarn”と呼ばれています(例:ウィンダミア湖=Windermere))。
イングランド最高峰「スカフェル・パイク(978m)」を含む山岳地帯が広がり、ハイキング・登山が盛んです。イギリスにはあまり高山がありません。
氷河が削ったU字谷、森、草原、小川など、絵画のような風景が広がっていて、イギリスの代表的な詩人ウィリアム・ワーズワース、『ピーターラビット』の作者ビアトリクス・ポターが住み、作品に湖水地方を描いてます。
ダルメイン(Dalemain Mansion & Historic Gardens)
今回、湖水地方の最初の目的地はダルメインです。
湖水地方の北東にあるヘーゼル家が17世紀から所有し暮らす歴史的なカントリーハウス(貴族の館、12世紀に建設)で、特にその美しい庭園と世界的なマーマレードの大会で知られています。
17世紀から伝わるマーマレードのレシピがあり、毎年3月にWorld’s Original Marmalade Awards
(世界マーマレード大会)が開催されていて、第7回の今年2025年の金賞受賞者に日本人がいらっしゃいます!
NHKで2016年にBSで『魔法の庭 ダルメイン ~イギリス湖水地方の田園ライフ~』、
2020年に地上波で『イギリスで一番美しい庭 ダルメイン』という番組が放送され、日本でもファンが多いようです。当時DGが録画してるのを少しだけ一緒に観てました(残念ながら録画は消してしまったので見返せないですが。NHKさん、ぜひ再放送を!)。
ダルメイン女主人(現当主?)のジェーンさんがお庭を紹介したり、キッチンで料理を紹介したり。イギリスの田園的な風景の中での素敵な暮らしを紹介する内容だったかと。
ちなみにNHKで放送されるイギリスの番組でもう一つDGお気に入りなのは『ソーイング・ビー』と『ブリティッシュ・ベイクオフ』。これはシリーズで今でも交互に放送しています。オススメです!
ここを訪れる旅行会社のツアーを探しましたがあまりありませんでした。
自由に行きたいところに行けるのが個人旅行の醍醐味です!
予約
公式ホームページから事前予約ができます。
ただ、事前予約だと少し手数料が発生します。
お庭だけなら直接行っても入れそうです。
料金はお庭だけなら大人£12です。
お屋敷の中も見たい場合は1日5回のツアーに申し込みます。
11:00、11:45、12:30、13:15、14:00枠があります。
料金はお屋敷&お庭で大人£17です。
13:15の回で事前予約をしました。
大人2人で£34.48(内、事前払い£10.48)(¥6,973)でした。
ダルメイン到着
12:56 ダルメインに到着しました。
あのTVの世界が目の前に~♪ただ、なんだか雲行きが怪しいです。
駐車場は無料で広々してます。観光バスも1台ありました。
車を降りて歩いていくと、
家畜の進入を防ぐためのキャトルグリッド(牛止め、写真左)があります。
このキャトルグリッドはイギリスではあちこちで見かけました。
蹄を持つ動物たちが歩きづらい幅で溝を作っているそう。
私たち人間は右の門を開けて入りました。
もうとても広くて、まるでお城です。
入り口前には植木が売ってます。持って帰れるなら購入したかったです。
中に入ると、そこには売店とカフェがあります。
カフェは大盛況でおそらくバスの御一行様でしょうか。
売店カウンターで予約していると伝え名前を言うと、残りの代金を支払って
こんなチケットをもらいます。
そこから反対のドアをくぐって歩いてお屋敷入口を目指します。お広い!
(まだここは地図の右上の建物です。)
素敵なお屋敷が見えてきました。
その奥を右に入るとあの有名な魔法のお庭に続きます。
ダルメインのお屋敷ツアー
入口の両側にはダルメインのシンボルのリスの石像があります。
ツアーの13:15になったらガイドさん(私たちはマークさんという男性でした)が出てきて
この扉の中に入れてくれます。
ぷすたぽんて達の他は英国人らしきご夫婦だけで、合わせて4人のツアーでした。
質問しやすくてラッキーでした。
屋内は写真撮影禁止でした。
このツアーは残念ながら英語オンリーなので頑張ってマークさんの説明を聞きます。
ときどきマークさんがわかるかな?とお気遣いくださるので、
理解したフリをして頷いてましたがたいした英語力がないので半分も理解できたかどうか...
でもお部屋によってはラミネート加工した日本語の説明の紙が置いてあって、
それがあると大変助かりました!
乏しい英語力で聞いていても、途中 killed やら died など物騒な単語が飛び交っていたので
貴族のお屋敷継承の歴史は少々血なまぐさいこともあるのだと察しました。
その話を聞きながら怖いわーと肖像画を眺めて2階へ。
2階の少年のお部屋には精巧なドールハウスがありました。
同じ年ごろの子供がいない息子のために親が用意してあげたんだとか(昔のお話です)。
説明の中に〝ミセス・マウス〟の単語が頻繁に出てきました。
ドールハウスもミセス・マウスのお家なんだとか。
思わず、「ミセス・マウスってイマジナリー?」と聞くと一緒に参加していた奥さんが
笑いながら「そうに決まってるじゃな~い」と答えてくれました。
でもなんだかミセス・マウスが本当にここに住んでいるような、そんな気がしてきます。
他にある子供部屋には可愛いおもちゃがたくさんあって、すごく可愛かったです。
あの血なまぐさい歴史がありながらも、子供想いの素敵なお屋敷です。
使用人の部屋の奥に、隠し部屋があって、そこに司祭が隠れていたというお話もあって
ところどころとっても面白い。隠し部屋も見せてもらえました。
歴代のマーマレード優勝作品などが展示されてるマーマレード部屋に入る前に事件は起きました。
階段下りて、マーマレード部屋は左なのですが、右の壁に〝お静かに! ミセス・マウス〟という看板(確かそんな文言)がかけてあったので、「ミセス・マウス?」とマークさんに聞いたら
シーッと人差し指を立てて注意されました。
その時はてっきり今も住んでるジェーンさん一家の居住区が近いから
静かにするよう注意されたと思い、ごめんねと謝りました。
マーマレード部屋の説明を受けて、さっきの階段の下に降りて振り返ってみるとびっくり!
さっき注意を受けた時に立っていた階段を下から見ると、ミセス・マウスのお家になってました!
本物の階段の中にドールハウスが!!
階段の途中の一段の中がお家になってます。
小さな扉、窓があり、窓から中の温かい照明の明かりが漏れていて。
覗くと中に小さな椅子やテーブルなど生活空間がありました。
可愛い!!!そして凄い!!!!
ぷすたぽんてとDGは雷に打たれたかのような衝撃を受けました。
そこは本当にミセス・マウスのお家です。
横でマークさんが「だから静かにって言ったでしょ?」とお茶目に笑ってます。
さすがピーターラビットが生まれた湖水地方!
この瞬間から湖水地方で見る動物の見え方が変わりました。
DGいわく『湖水地方は魔法にかけられる』。
本当にその通り。名言です!
マンションツアーは1時間くらいなのですが、マークさんが頑張ってくれて
終わったのは14:30頃(約1時間15分)でした。
ダルメインの魔法の庭
お屋敷も面白かったですが、楽しみにしていたお庭も散策します。
パンフレットにもありますが、ダルメインのお庭は2013年にガーデン・オブ・ザ・イヤーを受賞してます。ジェーンさんが自然の力(動物や昆虫との共生など)を生かしたお庭で、NHKの番組では魔法の庭と称してました。魔法と出てくるのがイギリスらしくて素敵ですね!
いよいよ本場のイングリッシュガーデンです。
お屋敷を出てすぐの景色。
奥に羊がたくさん!
あ、来るときに見た黄金色の羊もいます。黄金色に見えますよね?
お屋敷横の道を通って奥のお庭へ。
ベンチの周りのお花がすごい!
お屋敷裏の小路に入ってみます。
秘密の花園感が素敵!ワクワクしながら進みます。
奥には噴水や温室のあるお庭(フォーマルガーデンというのでしょうか)が。
あちこちにベンチもあってじっくり見れます。
さらに進むとTVで観たことがある気がする木が。根元にラッパスイセンを植えてた木?
ダルメインには、18世紀以前から育てられているリンゴの木が数本残されていて、そのうちいくつかは「300年以上の樹齢」とされているそうです。すごいね。
あちこちにベンチがあって、どのベンチに座っても周りの景色やお花に圧巻!
綺麗なお花がたくさん咲いていて嬉しい。さすが6月のイギリス。
バラもばっちり咲いていました。品種がたくさんで見ごたえあります。
木のアーチをくぐって行くのも楽しかったです。周りの花々の種類がすごい!
見たことないお花もたくさんありました。
こちらはGoogleの写真で検索したらウツギの仲間とか。
華やかなブーケのようです。
なんとTVでも紹介していたダルメインのブルーポピーが咲いていました!
この時期とは露知らず。青いケシのお花です。
栽培が難しく、幻の花と呼ばれているそう。
光によって色味が深まったり、青や紫のグラデーションが鮮やかで美しいです。
後で調べたら、ダルメインでは5月下旬~6月中旬の開花期間2~3週間とのこと。
翌々日、ヒルトップで出会った現地ガイドの日本人の女性とお話していたら
1週間前はまだだったそう。
楽しみにして来る方もいるので、開花時期に訪れることができてラッキーでした♪
奥まで行って戻る途中、下に続く階段を発見。
またまた秘密の花園感が出てきてワクワクします。
ん?
奥にも広いお庭が。そしてさっき見たブルーポピーが群生してる!!
グラデーションが美しくて妖精みたいなお花です。
興奮してたくさん写真を撮りました。
その先、森の中みたいな木立を抜けると小川沿いに素敵な休憩場所が。
ここのお庭はいろんな景色を見せてくれます。
〝ドラゴンに注意〟とお庭のどこかで看板を見ましたが、ドラゴンとはなんぞ?
忘れたころに現れました。
すごい、ドラゴンがいます。
その時近くにいたインド人の親子と大興奮で、お互い写真を撮りあいました。
ドラゴンの近くには、ブルーポピーが咲いてます。
お天気がなんとかもって良かったです!傘の出番はありませんでした。
だいたい45分くらいでお庭をまわりましたが、1日いれます。
本当に魔法かけられたような、満足感の高いお庭でした。
余談ですが、3年前の7月に北海道へ旅行した際
旭川にある上野ファームのお庭に感激しました。
英国風ガーデンをベースに北海道の気候風土を生かしたガーデンで、
一周周るだけでいろんな景色・世界観を感じられる不思議なお庭でした。
ダルメインのお庭もいろんな景色・世界観を感じます。
この写真の景色の羊がいる奥の草原を見てると
まるで自分が絵画の中にいるような気分になりました。
ダルメインのお土産販売店・カフェ
チケットを買った建物に戻ってきました。
ここでは絶対にマーマレードジャムを買うと決めてました。
嬉しいことに試食があります。
こちらが今年2025年に金賞受賞した日本人の方のジャム。ゆずが入ってます。
こちらも購入しました。
帰ってすぐに毎朝トーストと一緒に食べました。美味しかったです。
朝ご飯から何も食べてないので、ここでお茶をすることにします。
団体さんもいなくなって静かになってました。
美味しそうな手作りのお菓子やケーキ、スコーンがたくさんあります。
店員さんに相談して、ジェーンさん手作りのマーマレードジャムを使ったジンジャーブレッド£4.5をいただきました。
これがとっても美味しい!
甘さはあまり強くなく、日本人向けですが日本で食べたことない味。紅茶との相性も最高!
2人でシェアすると話したらフォークを2つつけてもらえました。優しい。
カフェを出た植物販売エリアにはブルーポピーが売ってました。
欲しい!!
買えないのが残念でした。そもそも育てるのが難しいので無理ですが。
ダルメインには3時間弱いました。
15:46 今夜の宿泊地ケズィックにむけて出発です。
つづく